海洋法(8)海洋境界
沿岸国2国が海を挟んで向かい合う場合や海に接しつつ隣り合う場合、各国が主張する領海・接続水域・排他的経済水域・大陸棚が異なる・重なる事態が想定されますが…
領海・接続水域と、大陸棚・排他的経済水域とで、異なる規律が採用されています。
そういえば、領海・接続水域については、少なくとも原則として等距離線(中間線)による、と理解しておけばOK、と習った記憶があります。
国連海洋法条約による規律ですね(15条)。領海・接続水域条約を受け継いだものです。
他方、排他的経済水域・大陸棚については、地理的事情等により各国にとり妥当なルールが定め難いことから、国連海洋法条約(15条)の手続に基づき衡平な解決が模索される、という程度の条約しか存在しません。
この点、ICJ等の国際法判例においては、(1)等距離線(中間線)を基本としつつ、(2)衡平な解決を模索するが、その際の考慮要素としては、海岸線の形態・距離の長短・島の有無等の考慮要素があるようです。そして、(3)その結果が、あまりに不均衡な場合には適宜調整する、という手法を採用しているようですね。
その他、各々決定される排他的経済水域と大陸棚との境界が一致しない場合の解決方法についても問題があるようですが、それはまたの機会に。