家族法(民法等。除く渉外戸籍法。)
【親族法】
知識・留意点
・婚姻意思の内容:実質的意思説(判例):事実重視
・離婚意思の内容:形式的意思説(判例):内縁という事実関係は残る。
●利益相反行為
(利益相反行為)
第八百二十六条 親権を行う父又は母とその子との利益が相反する行為については、親権を行う者は、その子のために特別代理人を選任することを家庭裁判所に請求しなければならない。
2 親権を行う者が数人の子に対して親権を行う場合において、その一人と他の子との利益が相反する行為については、親権を行う者は、その一方のために特別代理人を選任することを家庭裁判所に請求しなければならない。
・理由:取引の安全のため、
・結論:親権者の行為を外形的・客観的に観察して判断する(判例)。
・効果:無権代理
・問題:利益相反行為ではないが、相手方が代理権濫用の意図について悪意・有過失の場合
・理由:親権者には、法定代理権者として、代理行為について広汎な裁量が与えられている。
・結論:(子の利益を無視して自己又は第三者の利益を図ることのみを目的とする等)親権者に子を代理する権限を授与した法の趣旨に著しく反する特段の事情がない限り、代理権の濫用にはあたらない。
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【相続法】
知識・留意点
・共有(898条):共有(249条以下)と同義(判例):①909条ただし書きが分割前処分の有効性を前提としていること、及び②文言の同一性から。
・連帯債務:各自分割して承継し、その範囲で債権者との連帯債務者となる(判例)。相続という偶然の事情により債権者を過大な損失を与えるべきではないことから。
・遺贈と死因贈与:その性質に反しない限り、準用される(554条)。自分なりに趣旨を考え、そこから論じれば足りる。
・相続回復請求権(884条):真正相続人との間でも適用される(判例)。●検討:遺留分侵害請求権との関係
●建物(使用関係)
・前提:配偶者の場合、配偶者短期居住権(1037条1項本文)
・問題:その他の相続人の場合
・理由:被相続人及び同居相続人の通常の意思に合致することから、
・結論:特段の事情がない限り、少なくとも相続開始時から遺産分割終了までの間、同居親族を借主とし、その他の相続人を貸主とする使用貸借関係が存続すると解される。
●預貯金債権
・前提:原則として、可分債権は当然分割(427条は264条の特則)
・結論:預金債権は、当然分割されることなく、遺産分割の対象となる(判例)。
・理由:①実際上、遺産分割に際しての調整に資する。②預貯金契約の相手方の対応の煩雑さを考慮。●認識:理論上も、全部、が原則。とはいえスタートは、可分債権は当然分割。
・例外:(上記例外の例外として)一定範囲で単独行使可能(909条の2)●原則規定:906条の2(909条の2は特則)
●注意:「金銭」は別問題。だが、同様に分割対象となると考えられている(判例)。
●建物(賃貸中)
・理由:遺産は賃貸不動産であり、相続開始当時未発生であった賃料債権は遺産とは別個の財産。かつ可分債権。
・結論:よって、各相続人が相続分に応じ分割取得する。
・展開:遺産の法定果実であり、遺産自体ではないので、遺産分割の遡及効による影響は受けない。
・判例:以上
●特定財産承継遺言(「相続させる」旨の遺言)
・問題:遺贈(964条)か。
・理由:共同相続人である者に重ねて相続させる旨の記載であることから、敢えて単独で相続させる趣旨と理解するのが合理的である。
・結論:特段の事情のない限り、遺産分割方法の指定(908条1項)と解される。
・展開:よって、遺産分割手続を待たず、指定された相続財産は当該相続人に帰属する。
・補足:法定相続分を超える部分については登記が必要(899条の2第1項)。∵「相続による権利の承継」に該当する。相続分の指定(902条)があったと解される。
・補足:財産全部を相続させる旨の遺言の場合、遺言の趣旨等から相続債務を除外する意思がないことが明らかであるときを除き、当該相続人が指定相続分の割合に応じ相続債務も承継する。∵相続分の指定(902条)があったと解される。
もっとも、902条の2本文。ただし、902条の2ただし書き。
・参考:廃除された者に対し「与える」旨の遺言は、廃除の取消しの趣旨を含まない限り、特定遺贈と解される。∵相続人以外の者に対するのと同様である。
●遺言執行者がいる場合
・理由:1012条及び1013条は遺言者の意思に基づき選任された遺言執行者により遺言の公正な実現を図る趣旨
・結論:相続人による遺産処分は無効(1013条2項本文)。
・展開:受遺者は、相手方に対し、遺贈による目的物の所有権取得を登記なくして対抗可能。
・理由:もっとも、遺言の存否・内容を知りえない第三者の取引の安全を保護する必要性がある。
・結論:そこで、善意者保護規定(1013条2項ただし書き)。
●遺留分侵害額請求権
・趣旨:被相続人の財産処分の自由と被相続人の財産的保護との調和
・前提知識:形成権。受贈者・受遺者に対する意思表示で足りる(裁判所の請求不要)。それにより、侵害額相当の金銭支払請求権が発生(1046条1項)。現物返還否定(金銭支払請求権に一元化)。
・内容:基礎財産の計算:①被相続人が相続開始時に有していた財産+②生前贈与(1044条)-③相続債務
・対象:特別受益たる贈与(1044条1項・3項):10年の時間制限、相続人に対する遺贈(1047条1項):制度趣旨に照らし、受遺者の遺留分侵害を防止
・補足:遺留分権利者が権行使の確定的意思を外部表明したと認められる特段の事情がある場合を除き、一身専属権(423条1項ただし書き)として、代位行使不可。∵趣旨
・参考:改正前は、形成権で、減殺(効力の否定)ができたが、法律関係が複雑となり、行使し難い権利であった。
