外国人法（４）難民
「難民」とよく聞きますが、定義はあるのでしょうか？
①迫害の虞、②国籍国外にいる、③国籍国の保護を受けられない、の３点や。
（難民の地位に関する条約第１条Ａ（２））
当該条約は、東西冷戦の中、政治的な難民保護に主眼があった。
なお、その後、難民の地位に関する議定書（１９６７年）が採択されている。
内戦・自然災害等により移住する場合、当該定義に該当しないのですが、狭すぎませんか？
難民の定義自体を拡大する条約があったり、難民とは別の概念を設ける場合もあるが、今は立ち入らない。
「難民」該当性判断の主体は？
各国や。
そのため、国連難民高等弁務官事務所の指針・勧告とはずれる場合があるわな。
難民の権利はどうなっていますか？
自国民・他の外国人との比較ににおいて、水準を分けた権利保障がされている。
ただ、そもそもの庇護権は各国が自由に判断できる。
ノン・ルフールマン原則という言葉を聞いたことがありますが。
難民については、難民条約に下記重要な規定がある。
・不法入国・滞在を理由に刑罰を科すな（３１条１項）
・原則として、合法難民を追放するな（３２条１項）
・生命・自由の脅威にさらされる虞のあることに追放等しなさんな（３３条１項）
３点目が、ノン・ルフールマン原則や。
（なお、拷問等禁止条約（３条）、自由権規約（７条）、欧州人権条約（３条）でも採用されている概念なんや。）
