カテゴリー: 国際法

  • 南極(法)

    南極(法)

    ワヴィニー

    南極については、どのような規制がされているのですか?(北極はさておき)

    矗のこと、思い出しました。さて、南極に関しては、「クレイマント連中がセクター理論やなんやらを振りかざし、領有権を主張するなど何やらゴチャトチャ言うとるみたいやが、わしら(ノン・クレイマント)はそんなもの認めませんし、自らの領有権の主張もしませんわ。」という状態ですね。19世紀に入ってから、南極界隈が騒がしくなってきたのです。

    ワヴィニー

    「クレイマント」とは?

    イギリス、フランス、オーストラリア、ニュージーランド、アルゼンチン、チリ、ノルウェーの7か国です。

    ワヴィニー

    アメリカ、ロシア(旧ソ連)、そして日本等も含まれていませんね。

    それらがノンクレイマントですわ。

    ワヴィニー

    あと…、他は歴史・地理を学ぶ中での納得感があるのですが、なんでノルウェーやねん(北極に行くんとちゃうんかいな?)、というのが率直な印象です。

    具体的な条約はあるのでしょうか?

    南極条約を中心に、色々あるけど、今は知らんでもええよ。。

    まぁ、アクセスの自由がある、ぐらいは覚えとき。

  • 宇宙法

    宇宙法

    ワヴィニー

    土地・海・空と来れば、宇宙ですね。

    宇宙に関しては、(1)国連総会決議に基づく宇宙条約(1966年)が存在し、その後、(2)各種条約が採択されています。

    ワヴィニー

    (1)宇宙条約(1966年)の内容は?すか?

    まずは、3点セットにて、探索・利用の自由、領有禁止、及び平和目的利用の原則がある、と認識しておけば十分でしょう。

    ワヴィニー

    領有が禁止されている点については、各国が主権を持つ領空との境界が問題となりますね。

    その点については、少なくとも現時点では国際法上確立された準則は存在しない、と認識しておけば十分です。

    ワヴィニー

    (2)各種条約として、「月協定」(1979年)が存在すると聞いたことがあります。
    そのネーミングから、記憶に残っていました。

    月は毎日目にしうるものですから、忘れられないでしょうね(笑)。
    私も、あのお方も同じ月を見ていたのだな~、と柄にもなく感傷に浸る時がないとは言えないとは言えません。

    さて、月協定(1979年)については、月・そこにおける天然資源について、人類共同遺産としている点だけ、現時点では認識しておきましょう。

    (2)各種条約としては、その他に宇宙基地協定(1998年)等が存在しますが、現時点では、ふ~ん、という程度で結構です。

  • (国際)航空法

    (国際)航空法

    ワヴィニー

    (国際)航空法って、何ですか?

    第一次世界大戦において航空機が使用されたことを契機に、パリ国際航空条約(1919年)、そしてその代替としての国際民間航空条約(シカゴ条約)(1944年)が主な条約ですね。後者に基づき、ICAO(国際民間航空機関)が設立され、大枠が整備されました。
    (その他は、路線開設当事国同士の二国間航空協定(1946年の英米間協定即ちバミューダ協定が雛型)となっている。)

    ワヴィニー

    具体的には、どのようなルールがあるのですか?

    外国の領空を飛行する権利・自由は存在しない、とだけ覚えておいて下さい。

    ワヴィニー

    仮に(当該国の許可なく)領空に入った飛行機はどうなるのでしょう?

    1.軍用機
    撃墜OK

    2.民間機
    撃墜は国際法違反です。
    いわゆる大韓航空機撃墜事件(1983年)を契機にシカゴ条約が改正され、下記2点が定められました。
    (1)当該国が、該当する民間機に対し、着陸を求める権利
    (2)飛行中の民間機に対する武器使用の原則禁止です。

    5つの自由から、9つの自由への拡大、そしてオープンスカイ協定等についてはまたの機会に。

    ワヴィニー

    ニュースで耳にする「防空識別圏」とは?

    各国独自の制度ですね。条約に基づくものではありません。
    (領空に入ってからでは遅いから早めに、という発想です。)

    最後に1点補足ですが、領空は領土・領海の上空を含むため、領海について従って(国際)航空法について理解をするためには、まずは領土・領海、及びそれらに関する法について理解しておく必要があります。

    その点は歴史的事実に基づく法の発展経緯とも整合的です。人類が初めて空を飛んだとされているのは、ライト兄弟による有人飛行(1903年)であり、たかだか120年程度に過ぎないですからね。この120年間の航空機の進化は目を見張るものがあります。約120年振りに改正された民法(債権法)の進化との比較において…

  • 海洋法(8)海洋境界

    海洋法(8)海洋境界

    ワヴィニー

    沿岸国2国が海を挟んで向かい合う場合や海に接しつつ隣り合う場合、各国が主張する領海・接続水域・排他的経済水域・大陸棚が異なる・重なる事態が想定されますが…

    領海・接続水域と、大陸棚・排他的経済水域とで、異なる規律が採用されています。

    ワヴィニー

    そういえば、領海・接続水域については、少なくとも原則として等距離線(中間線)による、と理解しておけばOK、と習った記憶があります。

    国連海洋法条約による規律ですね(15条)。領海・接続水域条約を受け継いだものです。

    他方、排他的経済水域・大陸棚については、地理的事情等により各国にとり妥当なルールが定め難いことから、国連海洋法条約(15条)の手続に基づき衡平な解決が模索される、という程度の条約しか存在しません。

    この点、ICJ等の国際法判例においては、(1)等距離線(中間線)を基本としつつ、(2)衡平な解決を模索するが、その際の考慮要素としては、海岸線の形態・距離の長短・島の有無等の考慮要素があるようです。そして、(3)その結果が、あまりに不均衡な場合には適宜調整する、という手法を採用しているようですね。

    ワヴィニー

    その他、各々決定される排他的経済水域と大陸棚との境界が一致しない場合の解決方法についても問題があるようですが、それはまたの機会に。

  • 武力紛争法(1)国際武力紛争

    武力紛争法(1)国際武力紛争

    ワヴィニー

    「戦争」についての法(国際武力紛争法・国際人道法)は、最も条約化が進んでおり、それらは国際慣習を反映している、と聞いたことがあるのですが。

    どのようなものがあるのでしょうか?

    3つに分けて、記憶しておいて下さい。

    1.ハーグ陸戦条約・陸戦規則(1899・1907)
    (憲法9条の学習をする際、聞いたことがあるかもしれませんが。)

    2.ジュネーブ4条約(傷病兵保護条約、海上傷病者条約、捕虜条約、文民条約)(1949)

    3.ジュネーブ4条約第1追加議定書(1977)

    ワヴィニー

    2の条約の名称と、時折報道等される戦争に関する議論とを併せ読むと、凡その内容は理解できますね。

    現時点では、それで十分でしょう。

    武力紛争法の主眼は国際武力紛争です。

  • 武力紛争法(2)内戦

    武力紛争法(2)内戦

    ワヴィニー

    内戦が散見されますが、内戦についての国際法的規律はどうなっているのでしょうか?

    未発達ですね。

    武力紛争法の主眼は国際武力紛争である一方、とりわけ第二次世界大戦後の武力紛争の中心は、内戦なのですが。

    ワヴィニー

    とはいえ、何らかの法的規律があるのではないでしょうか?

    現時点では、下記2つのポイントを押さえておけば十分でしょう。
    1.内戦に直接参加しない者の人道的処遇(ジュネーブ諸条約の共通3条)
    2.保護対象は武力紛争の影響を被る全ての者(ジュネーブ諸条約第2追加議定書)

    ワヴィニー

    これは私の推測ですが、「外戦」という言葉が少なくとも一般的に広く使用されていないのは、そもそも武力紛争はその沿革的に国際(「外戦」)であり、例えば戦争・紛争等の他、殊更それを表現する必要はないからなのでしょうかね。

  • 海洋法(7)深海底

    海洋法(7)深海底

    ワヴィニー

    大陸棚における資源開発を進める中、その外にある深海底の開発も同様に進められるのでしょうか?

    そうなると、開発能力のある先進国が、深海底を寡占することになりかねないですね。

    ワヴィニー

    だから国連海洋法条約(136条)は、深海底を”common heritage of mankind”として、いるんですね。

    ただ、先進国にとっては、自国の生産制限・技術移転義務等を規定する同条約は、大きな制限を課すことになりますね。

    ワヴィニー

    そのため、深海底制度実施協定(1994年7月採択)により、同条約の一部不適用の手当てが施されているのですね。

  • 海洋法(6)排他的経済水域

    海洋法(6)排他的経済水域

    ワヴィニー

    排他的経済水域とは?

    国連海洋法条約(1982年)以前から、国際社会の合意があったんですよね。

    ワヴィニー

    ・・・

    ・・・

  • 海洋法(5)大陸棚

    海洋法(5)大陸棚

    ワヴィニー

    大陸棚とは?

    条約毎に異なるんですよね。

    ワヴィニー

    ・・・

    ・・・

  • 海洋法(4)接続水域

    海洋法(4)接続水域

    ワヴィニー

    接続水域とは、何でしたっけ?

    国が、領海の外側において、基線から24海里の範囲内で設定するものです(国連海洋法条約33条)。

    ワヴィニー

    どういう実益があるのですか?

    接続水域内であれば、(領海でなくとも)出入国管理・通関等のために必要な規制ができます。

    ワヴィニー

    思い出しました。
    確か、日本が接続水域を設定したのは、1996年になってからでしたね。

    はい。
    細かい話は、またいずれ。